たくさんの人に食べてもらいたいとはじめた宅配。「『孫がひとりで全部食べたの』など、お礼の手紙を頂く事が励みになります。」顧客は老若男女幅広いが、共通点は美味しいものを食べたいという事。
ある日の事、信濃良祐は電話の前で悩んでいた。桜通りの本格釜飯 志喜(しき)の経営者である。その原因はひとりのお客さんが電話口で言った「そんなに時間かかるの?」というひと事。その言葉が頭から離れない。
「日本中の美味しいものを集めた店を創りたい」と、信濃が「本格釜飯 志喜」をオープンさせたのは2005年12月。昼間は店内でも食べられるが「もっと多くの人に食べてもらいたい」と、宅配も行う本格釜飯専門店だ。創業当時まだ20代だった彼がなぜ釜飯なのか?その理由は少年時代からの信濃の好物、それが釜飯だったから。単純な理由だ。しかし何故に釜飯なのか?ふつう、大学生や高校生ともなれば、家族との外食にも行かなくなる、そんな家庭も多いだろう。信濃もそうだった。しかし「釜飯」と聞くと「俺も行くよ!」と家族が揃う。食べ盛りの男の子なら、焼肉や洋食の方が喜びそうな気もするが、信濃家の兄弟たちは素直に出かけていたという。ちなみにその釜飯店で、普段は食も細く、家ではお代わりもしなかった彼が「もうひとつ食べていい?」と遠慮気味に父親に聞く、それほど「美味しかった」のだ。今もあの味を求めていますと言う。だから彼は独立するなら「釜飯」と決めていた。蓋を開けると湯気と共に香りが漂い、鮮やかな四季折々の旬の食材が目に入る。出汁がしみこんだ美味しいご飯を口に運べば、思わず笑顔がこぼれる。優しい味付けで小さな子供からお年寄りまでみんなが喜べる。そんな「日本に生まれてよかった」と思える釜飯を目指している。
それを実現するために、信濃は日本各地の食材を集めた。彼は釜飯を「パズルみたいなもの」と例える。焼いて美味しい鶏肉と、釜飯に合う鶏肉は違う。それは全ての食材に言える。お米と出汁、そして様々な食材が一緒にお釜の中で炊かれ、蒸らされる事で釜飯は出来上がる。釜飯の具材は上に乗せるだけの「トッピング」では無い。具材とお米が一緒にお釜で炊かれることで、はじめて味わえる出会い、組み合わせ。そのために数あるお米の中から、山形産コシヒカリを選んだ。他にも牡蠣なら広島産、地鶏は津軽など、ブランドや知名度にこだわらず、美味しい釜飯に必要な食材を、自分の舌で確かめ捜し求めた。そして手間を惜しまずひと釜、ひと釜、注文を受けてから炊き上げる。だから多少の時間を頂く事になる。宅配もするが、アルバイトが流れ作業で作り届けるデリバリー専門店のように「30分以内に届けないと無料」などとうたうわけにはいかない。もちろん、少しでも早くお届けしたい気持ちはある、しかし注文が重なれば、時間が掛かる事もある。でも「美味しかった」と喜んでもらうために、譲れない工程、手順がある。そのためにお待ち頂く事もある。だから信濃は、今日も注文が重なる時間、電話を受けながら「少しお待ちいただくことをお詫びし」電話口で頭を下げている。「美味しいと喜んでもらうために」それは削れない時間。電話の相手は「お孫さんと食べる」というお祖母ちゃん。本当にすいません、もう少しだけ待っててください!飾りは無く、本音の叫びだ。
1.まずは、良くかき混ぜてお茶碗へ…。
志喜の釜めしは、それぞれの素材の味を大切に、炊き上げております。おこげ以外を良くかき混ぜて、お召し上がりください。
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2.おこげを特製おだしでお茶漬に…。
おこげがつくよう炊き上げております。特製おだしで最後にお茶漬にしてお楽しみください。旨みが溶け出し、思わず笑顔がこぼれます。
東京都府中市府中町1-27-8
営業時間/[店舗]11:30〜14:00
[宅配]11:00〜14:00(L.O. 13:30)
17:00〜21:00(L.O. 20:30)
定休日/木曜